薄く開かれた唇からは、小さな声がもれた。




ねぇ、キミの名前は―――



「その名前、漢字で書くと……」


美しいに、桜って書く――?



真っ直ぐ“見上げられた”視線に居心地が悪く感じて、

俺はベッドの前にひざまづいた。


“同じ高さ”でぶつかり合う、俺と彼女の瞳――視線。




「――な、んで……?」


やっぱり。

なんだろ―――


「……カン、かな」