「――…はぁッ」 きっとまだいないんだろうな。 そうは思っていても 駅のコンクリートの地面を蹴る足を止める事は出来なくて。 約束の場所まで夢中で走った。 1秒でも早く 美桜に会いたい―――… そんな想いを、そっと抱えて。 この時の俺は、まだ信じてた。 美桜のことを想ってれば、いくらでも待てるって。 凍てつく寒さの中、俺はこの場所で待ち続けた。 美桜はきっと来てくれるって信じてたから。