…チン



何気レトロチックな音とともに開いた扉。


あたしは、迷わず足を進め“閉”のボタンを押した。


カチ


「あ…」


何故だかエレベーターは、上に上がっている。


(え?え?)


もしかして、間違えて押しちゃった…?


…どんだけだよ。



とりあえず、この百貨店は5階までしかないから、最上階まで行ったらまたボタン押せばいいよね。


こうなると、やっぱり面倒くさがらずにエスカレーター行った方が早かったな。


小さくため息を漏らして、壁にもたれると「チン」というレトロチックな音とともに扉が再び開いた。


どうやら、4階らしい。


誰か人が入って来た、とわかると扉が閉まった。


あたしは、下を向いていて乗ってきた相手を確認していない。


ちょうど顔を上げようとした時だった…



ガタンッ


「え?」



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