『君、明日から学校来なくていいよ?』 『え…』 王子は男子生徒に微笑むと、いきなり美しいその腕を振りかざした。 あたしは今でも忘れない。 『あんた目障り。消えろ』 体育館裏口で、男子生徒を恐喝しているところを。 あんたみたいな最低男、好きなんかじゃない。 恋したって、錯覚してたんだ。 柳瀬 和稀 あんたは王子でもなんでもなかった。 _