意地悪王子とお姫様



落ち込んだまま新しい教室に入った。


すると、すぐ視界に入るウザい奴。


「……また啓がいる」


あたしは、大きなため息をついた。



2年連続だよ、も~…!

こいつとだけは、なりたくなかった。



「また一緒かよっ…!」



―――バシっ



「……いったぁ!」



むやみに頭叩いてくるし、無駄に絡んでくるし…。


こいつがあまりにもウザすぎて、要君がキレたぐらいだ。


なのに、懲りずにちょっかい出してくるのがまたウザい……。



そんな苛立ってる時


「雨ー芽っ!」


その声を聞いただけでわかる。


「もう、遊びに来たよ~!」


あたしは、ウザい啓をほっといて要君に走った。