意地悪王子とお姫様



「なんか言いなさいよ?」



―――ドンっ!


強く押されて、また倒れ込んだ。


もう、なんなの…。



「…先輩達に関係ないじゃないですか。
しつこいです」


そう言って、また立ち上がる。



「まぢ、生意気じゃない?」

「この前は、すぐ泣いてたくせに」


先輩達があたしを見下げてブツブツ言い出す。



「そんな好きなら、あたしに言わないで咲貴君に言えばいいじゃないですか。

なんで、陰でコソコソするんですか?」


あたしが勇気を出して、反抗した。



「は?」


1人の偉そうな先輩があたしに近づいてきた。


…かなり怒らせてしまったらしい。



「あんたさ、さっきから黙ってればなに?
随分と天狗になってんのね」


そう言って鼻で笑う。