意地悪王子とお姫様



「じゃあ、一緒帰ろうよっ?」


要君が嬉しそうに言う。



ダメに決まってる。



「……ごめんね。帰れないや…」


あたしは、そう言って鞄を持って帰ることにした。




「…かーみーきさんっ!」


「…きゃっ!」



―――ドンっ



勢いよくぶつかられて、尻餅をついてしまった。



恐る恐る顔を上げた。



「…やっほ~♪」



またですか…。


この前の先輩達がニコニコしていた。



「あれぇ?今日は、咲貴と一緒じゃないんだぁ~?」



今は、喧嘩中だから逆にそう言われて苛々がます。



「やっぱ、捨てられちゃった~?」


ほら、またそんなこと言うんだ。


あたしは、汚れたスカートをはたいて立ち上がった。