酷いことしちゃったかな……。


しちゃったよね……。


謝らなきゃ。



咲貴君のことだから、きっと屋上にいるはずだ。


走って屋上に向かった。



ゆっくりドアを開ける。




「ねぇ、咲貴~?」


「なに」


「また前みたいにキスしてよ~」


「やだ」



咲貴君と知らない女の子が喋っていた。


女の子は、咲貴君の腕にくっついてべったり。


触らないでよ?



「…あら、誰かきた」


女の子がこっちを向く。


「よう済んだわけ?どーせ、曖昧にうまく断ったんだろ?」


咲貴君はこっちを見向きもしない。



否定できなかった。

事実だったから。



「雨芽は、誰にでも優しくするよな」