意地悪王子とお姫様



「あいつのこと、今はどうも思ってないわけ?」


「…ぅん」


「本当に?」


「本当っ!あたし、咲貴君がいるのに他の人なんか好きになんないっ!」


あたしが笑って言うと、咲貴君は安心したみたいだった。



嬉しかった。

咲貴君がそんな想ってくれるなんて。



要君は、今は友達だし…。


咲貴君と出会えたから、別れたことは後悔してない。




けど……



要君は違ったみたいだった。



―――――――――………



「俺は、まだ雨芽が好きだよ?」


「……へ?」



教室に戻って、要君がこっちに向かってきたと思ったら…。



「だーかーら!俺は、まだ好き」



こんなことを言い出した。