意地悪王子とお姫様



あたしは、拳を握りしめた。


もう、どうにでもなれっ…!!




「…つ、付き合ってますっ!咲貴君は、あたしの彼氏…で、す…」



「は?」



恐る恐る顔を上げると。

案の定。先輩達は、眉を寄せていた。




「へぇ~。あんたが、みんなの咲貴を奪ったんだぁ」



あたしは、先輩達に囲まれていく。



「どんな手使ったの?ちょっと可愛いからって、誘ったんでしょ」



あたしは、ふるふる首を振った。



「ま、どーせすぐ捨てられるんじゃない?」



―――所詮、遊ばれてるんでしょ



そんなことない…そんなことない。



咲貴君は、あたしのことちゃんと好きって言ってくれたんだ。