意地悪王子とお姫様




教室でキスをしたことなんて、もう学校中に知れ渡っているはず…。




「ねぇ、どうなの…?」



一歩一歩近づいてくる、先輩。


あたしは、一歩一歩後ろに下がる。



こ、怖すぎるっ……!!



「大丈夫大丈夫。怒んないからね~?」



いやいや…、絶対嘘でしょっ…!!



ここで付き合ってないと言えば、すぐ話は済むはず。


けど、あたしにはそんなこと言えない。



だ、だって、咲貴君はこんな先輩達を押しのけてあたしを選んでくれたんだ。


自信を持っていいんだよね…?




「………~てます」


「聞こえな~い!!」


ワザとらしく耳を向ける、先輩。


どこまで、たちが悪い奴らなんだっ…。