意地悪王子とお姫様



恐る恐るトイレから出て、周りを見渡す。


「い…ない、かな?」


あたしは、猛ダッシュで手を洗い教室に戻ろうとした。



ところが……、





「…見ーつけた!」



「……ひっ…!」




肩をガシッと掴まれる。



振り返ると……。



「よっ、神木雨芽ちゃん」


目が笑っていない先輩がいた。


その後ろにも、3人いて……。



もちろん、要件なんて聞かなくても分かる。




「黒木咲貴と付き合ってんの?」




やっぱり、ね……。