「じゃあ、なに?なんて言ってほしいんだよ」


あたしの頬に手を添える。


「…んんっ…」


唇が触れた。


「言ってみ?」


意地悪そうに笑う。


ぎゅっと咲貴君の袖を掴んだ。


「……好き。好きって言ってほしぃ…」



すると咲貴君は、ニヤリと笑う。


「……きゃっ…」


気づいたら、後ろは壁で横には咲貴君の手であたしは閉じ込められていた。



「雨芽のわがまま」


右手は壁につけたまま、左手はあたしの頬に添えてキスをした。



「……ん、わがままじゃないっ…」


「それで泣いてたわけ?」


そう言うとあたしの顎を掴んで唇を押しつける。