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「なに。怒ってんのかよ?」
「……別にぃー!」
あたしがふくれっ面で言う。
突然みんなの前でキスをされて。
平然といれるわけもなく、教室を飛び出してきた。
「……へぇ。俺とキスするのが嫌なんだ」
「だって、有り得ない!あんなとこでするとかぁー…」
教室だよ!?みんな見てたし!
「まあ、いーや。別に俺、悪気ないし。
雨芽が怒っても怖くねーし」
なんて言って、馬鹿にしたように鼻で笑う。
「……意地悪」
そう言うと咲貴君があたしを見た。
「仕方ないだろ?他の男に取られたくねーんだもん」
「……………。」
そんなこと言われたら、あたしだって何も言い返せなくなる。