「自分のものだって、見せつけんのが楽しいんだろ?」


そう言って、あたしの顎をクイっとあげて


「………ん…」



キスをした。



「「…きゃあああああ!!」」


クラスの女子の悲鳴が響き渡る。



咲貴君。なにをしてくれたんだ…。



「あたしがみんなに言われるんだからぁ!」


あたしが涙目で訴える。


いじめられるに決まってるじゃん!!



「いーじゃん別に。意地悪されるのには慣れてるから」


「………慣れてないっ!」


「ま、雨芽ドMだし」


「……ちーがーうっ!」


あたしを見て、咲貴君は嬉しそうに笑う。



きっとみんな知らないでしょ?


咲貴君がこんな嬉しそうに笑うってこと。