「お前そう言って、また雨芽を騙そうとしてんだろ？」
「人聞き悪いことばっか言うな。雨芽は俺を選んだんだよ」
そう言って、あたしに優しい笑顔を向けてくれる。
顔が熱くなった。
「嘘言うなよ」
そんなあたしを見て、啓が小さく呟く。
「嘘じゃねーよ？聞いてみろよ」
咲貴君は、笑って首を傾げる。
「雨芽、付き合ってるの？」
啓ではなく、ひかるが聞いてきた。
「…つ、付き合ってる…？」
あたしは、戸惑ってしまった。
あれ…。あたしと咲貴君って付き合ってるんだっけ…？
確かにそう言うことは、いっぱいしてきたけど。
…………咲貴君、あたしのこと好きって言ったっけ…？
