意地悪王子とお姫様



足を組んで、あたしの方を向いてくる。



「うるせーな?」


あいつら、と言って平然と指を差す。


こっち見てますけど……。



「けど、私も意味が分からない。なんで、あんたが雨芽といるわけ」


そう言って、あたしの目の前に立って咲貴君との間を遮られた。



「雨芽が見えない」


「質問に答えて」



即答するひかるを横目に咲貴君は、冷静だった。



「そのまんま。そういう関係になったわけ。雨芽、言ってなかったんだ」


なんて、のんきなことを言われてしまった。



「いや…、冗談キツいって」


そう言われた途端、咲貴君がフッと笑った。


啓が割り込んできたのだ。



「残念なことに、これは冗談じゃない」


咲貴君が馬鹿にしたように言う。