意地悪王子とお姫様




「…雨芽、雨芽っ…」


「……んー?」



授業終わったんだ…。


目をこすりながら、開くとひかるがいた。



咲貴君……。


そう思って咲貴君の席を見た途端、唖然としてしまった。



「なにあれ」


女子がたかりにたかっていた。


咲貴君の目の前に立っている、バリバリのギャル野郎が大声で訴えている。



「咲貴、あの子とはどういう関係なの!?」


「うっせーな」


咲貴君はうざったそうな顔をする。


「おかしいし、今まであんな本命とかつくらなかったのにっ!」


「あーもう、うるさいうるさい。別にいーじゃん」


そう言って、咲貴君は席を立つ。




まさかまさか……。



―――ガタッ



案の定。あたしの隣の席に座ってきた。