「絶対、咲貴君の好きな人あたしでしょ!」


絶対の絶対の絶対!


「勘違いもいいところだ」


咲貴君はクスっと笑う。


「なんでなんで!」


あたしに決まってるっ。


「雨芽は、うるせーな。そんなに俺が好きなのかよ?」


咲貴君が呆れ顔で言う。


「うんっ…」


あたしが唇を噛み締めて答えた。



「簡単に言うなって」



――襲うよ?



「……きゃっ…!」


もう押し倒されてしまった。



「…どうしようか」


覆い被さっている咲貴君があたしの頬をそっと撫でる。


「どうしようって…?」


どういう意味?