意地悪王子とお姫様



寝るのに疲れるって…。



「なんだよ?」


黙って見ていると咲貴君が言った。


「なんでもないよ」


恥ずかしくなって下を向いた。



「変な奴」


そう言って、咲貴君はあたしの顔を覗き込んでくる。


「んっ…」


唇が重なった。


「相手してやるよ。こっちおいで?」


咲貴君があたしの体を抱き寄せる。



「…ね、ねえ…?」


「…ん?」


咲貴君は、あたしの髪に唇を寄せた。


「もう、縁切ったの?」


思い切って聞いてみた。


気になって仕方がなかった。


けど、確かにあれから咲貴君が女の子と絡んでるところは見ない。


だから、本当のところはどうなのかなって…。