意地悪王子とお姫様



「教えてやんねーよっ」


そう言って、寝はじめる咲貴君。



「意地悪っ…」


「よく言われる。お前に」


んもー!


それから、1時間サボって巧君は教室に戻ると言い出した。



「あたし達も、戻ろうよー」


寝ている咲貴君に向かって言う。


けど、返事は返ってこない。


「寝てるから、いいよ。じゃあね~」


巧君はさっさと屋上から出て行った。


「あーあっ」


咲貴君寝てるし、つまんないよ。

だからといって、置いて帰りたくはない。


今は、あたしが独り占めできる時間。


あたしがぼーっとしてると咲貴君から腕を掴まれた。



「…きゃっ…!」


「寝んの疲れた」


そう言って、あたしの腕を掴んで起き上がる咲貴君。