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「…………ほら、雨芽」


ひかるが指差す。


「わかってる。わかってるもん」


そう言って、あたしは俯いた。



ひかるが指差す先には、咲貴君がまた女の子とゴタゴタなっていた。


結局、昨日のお願い事もまともに聞いてくれなかったし…。

あたしが、どうこう言える立場じゃないんだけどね。



「どーせ、雨芽もあんな風になるんじゃねーの?」


啓が不機嫌そうに言う。


「なんないっ!!」


あたしは、俯いて首を振った。


「いや、なるな」


「あんま言い過ぎると、雨芽泣くよ」


ひかるが横目で啓を見て言う。



「あたし、別にいい。咲貴君があのままでも別にいい」


「はっきり言うけど、その考え方どうかしてるよ?」


ひかるが言った。