意地悪王子とお姫様



そして、そいつに覆い被さってる奴。



「……そんな普通、堂々と開ける?」


有り得ないだろという顔を私に向ける。



それは、予想通りの人物。


黒木咲貴だった。



そして、緩んでいたネクタイをなおす。



「終わり、帰れよ?」



はあ?

キレようとしたけど、その言葉は私に向かってではなかったらしい。



「なんでー?まだヤろうよぉ?」


その子が猫なで声で言う。



こいつ…見られたくせに、まだヤろう!?

殴りたくなる気持ちを必死に抑えた。



「無理無理、もう二度とヤんねーよ」


そう言うと「どっか行け」と手をあおいで追い払う。



すると、渋々女の子は帰って行った。


……なんなの?