意地悪王子とお姫様




「俺、お邪魔っぽいから教室戻るよ!!
仲良くねっ!!」


巧君が立ち上がる。



「……いいのにっ。」


あたしがお邪魔だよー…。


「いんだよ。また後でな?」


咲貴君が言った。


「うんっ!!」


巧君は、教室に戻ってしまった。



――――――――………


「で、どうしたんだよ。言ってみ?」


咲貴君があたしの顔を覗き込む。


「……言えないよ…。」


あたしがこれを言って、何になるんだろう。


咲貴君を困らせるだけだ。



「はあー…。難しいな?」



――俺と雨芽の恋は。



「……え?」


「俺は、別にかまわねーよ。誰がいなくなろうと。誰を失おうと。」