意地悪王子とお姫様




「神木雨芽。」


そう言って、咲貴君があたしの頭に手を置く。



「俺、巧だよ!!咲貴とは、幼なじみで一番仲良し!!」


巧君か。

とっても、可愛らしい男の子だった。

咲貴君の並んでたら、兄弟みたい。



「一番仲良しとか勝手な事言うなよ。」


咲貴君が笑う。


「いや、俺ら一番仲良しでしょ!?」


巧君は、咲貴君が大好きならしい。


2人のやりとりは、見てるこっちも面白かった。



「てか、お前どうしたわけ?」


咲貴君があたしに目を向ける。


「……どうしたって…。」


あー…。また涙がでてきた。


「ほら、また泣く。」


そう言って、咲貴君が笑う。


「だ、だって…。」