意地悪王子とお姫様



教室を出て、屋上に向かう。


色んなことがありすぎて、わけがわからなくなっていた。


ひかるは…、ひかるは…。



咲貴君となにしたとかは、別にいいんだ。


ただね?


ひかるに裏切られたことが悲しいよ。



言ってくれても良かった。

先に言ってくれた方が良かった。



ひかるは、ずっと隠し通すつもりだったんだね。


きっと、バレるのが怖くて。

そのために咲貴君をやめろ、なんて言ったんだ。


酷い考えが次々に浮かぶ、あたし。



屋上に着いた。



「……ん……?」


人影が見える。