家を出ると寒さが身に染みた。 空から降って来たのは、雨じゃなくて…雪だった。 「…初雪かぁ」 自転車を諦めた私は、寒さに身を縮めながら、上着のフードを被り、足早に歩き出した。 歩いて10分の駅前のスーパー。急げは5.6分でつけるだろう。 お腹がすいただろう優太達の事を考えて走る私。 道路を覆う雪は、みるみる真っ白に染まり、 薄着だった私は、ひとつクシャミをした。 「…さむ!」 その時、後ろから聞こえる足音に気づくのと同時に、腕を急に捕まれた。