手に入りかけた気がしてた。亜矢が俺を…好きになってくれたんじゃないかって。 亜矢と二度目のキスをした時…俺の手が微かに震えていた。 本当はあの時、これが最後かもしれないってわかってた。 わかってたから会いに行ったんだ。 どうしてあの時、俺に電話なんかしたんだ? 放っておいてくれれば良かった。 キスなんてしなければ良かった。 亜矢を抱きしめなきゃ良かった。 そうすれば、今のこの胸の激しい痛みも、 少しはましだったのに。