「待って…待ってよ…!勝手に決めないで!私、悠斗君の事…本当に」


遮るように悠斗君は続けた。


『亜矢の気持ちがまだ固まってない今なら、引き返せる。
なかった事にしよう。亜矢。

俺には、亜矢を縛る事なんて出来ない…』


携帯を落とした私に驚いた優太がそれを拾って、慌てて耳に当てる。


「…切れてる…!ねーちゃん、悠斗は何て…?」


最後の言葉を言った悠斗君はそのまま電話を切った。


涙が止まらなかった。





‘好きだ…亜矢の事が。多分これからもずっと。

でも俺の事は忘れて、幸せになって…‘