一番に君が好き




『さーくらっ』


待ち合わせは校庭の隅にある

大きな桜の木の下。



帰路を急ぐ生徒に混じって出てくる私を


先輩はすぐに見つけ出してくれた。



名前を呼ばれるのが嬉しくて


ちょっと気づかない振りをしたこともある。




学校が終わってこの桜の木の下で


10分間くらい話してから

手を繋いで帰るのが日課だった。