私は婚約指輪を持つ事になったいきさつを全て慎矢さんに話した。 慎矢さんは黙ったまま話しを聞いた後、婚約指輪をドレッサーの上へと置いて私を見る。 「隠してた訳じゃなくて…伝えるのを…すっかり忘れてて」 「だろうな」 「…ご、ごめんなさい」 「…俺が怒るとでも思ってるのか?ガキじゃあるまいし、怒るわけねぇだろが」 「……え?」 慎矢さん…怒らないの?私、ずっと忘れてたのに……怒らない分…傷ついてるとか…?