私は何時間も語り続けた。若女将は一言も口にせずずっと聞いてくれていた。

全てを話し終えた時…。
私をそっと背中から抱きしめてくれた。

とても温かく包みこんでくれる。

愛し合っていた頃とは違う癒される愛がそこにはあった。

『聡子…、辛かっただろうね。あの時、ここでかくまってやれなかった私の責任だ。すまなかったね…』

私の頬に若女将の涙が落ちてくる。