「はぁぁぁ、男性不信・・・
     なのかなぁ・・・」


「・・・えっ?なに?」



ボォッとしてて、白石先輩が真後ろに立っているのに気付かなかった。



「あーっ!びくったぁ!いえ、男の子より女の子に優しくしてしまうあたしってやっぱおかしいんですかねぇ」


「どうしたのよ?あたしは男の子の前ではいい顔して、女の子の前では態度違う人よりはいいと思うんだけどな」


「たま〜に、自分は男に生まれるべきじゃなかったのかと思う時が・・・」


「あはは、そうなの?はたから見ればカワイイ16歳だよ?」


「はたから見れば・・・・・・」



恋する乙女心を無くした訳じゃないけど、裏切られるのが怖い。



もう傷つきたくはない。



昔のことを思い出すと吐き気がしだす。



今でも引きずってる自分が情けない。



「あーあ。男運ないのかなぁ」


ん?なんだ?あれ・・・・・・




道路の向こう側に、ばっかみたいに大きく手を振るアニキがいた。


んっ?何?


アニキは手と体を使って


━L・O・V・E━


と文字を作った。




「はっはず!あほかっ!」



アニキ・・・
怒ってなかったの?




『ばぁーーーーーーーーーかッ!』

おもいっきり、アッカンベェ!として見せた。




アニキは安心したように笑いながら手を振って、仕事場に戻って行った。



「さんきゅっ♪アニキ・・・」





沈んでたあたしの気持ち。
少し軽くなったよ。