――ピンポーン♪

ん・・・・・?誰?

こんな朝早くから・・・・・・




朝食を済ませて歯を磨いていたあたしは、予定のない訪問者に首をひねりながら、歯ブラシをくわえたままゆっくりと玄関のドアを開けた。



「おっはよ〜♪」


「ぬぁぁゆぅ〜!」


「お迎えに来ましたぁ♪」
名雪が、首を傾げながらニコニコしながら立ってた。

「え〜!来るなら来るって言っと
 いてよ!」


「エヘヘ〜♪
 驚かそうと思ってさぁ・・・
 びっくりしたぁ?」


「びっくりしたぁ!
 急いで用意するから
  入って待ってて〜!」

ドアを大きく開き、名雪をリビングへ招き入れた。



「おじゃましまーす♪」


「ちょっと口ゆすいで来る!」


お迎えが来るなんて中学校以来だ。



なんだか嬉しいのと照れ臭いのとで、ソワソワしてしまう。



「慌てなくていいよ〜♪
 待ってる間さっちゃんちを探け
 っ・・・」


「あっ名雪そこはっ!」


「きゃあ〜!」


押し入れに押し込んでいた布団が雪崩のように名雪を襲った。



「いやーん!」


「ギャハハ♪
 名雪のあほぉっ!
 お腹痛いって!
  また寝るつもり?」


「エヘヘ、それもいいかなぁ♪
 あっ見て〜♪さっちゃんのお弁
 当も作ってきたよ♪」


「わぁ、ありがとう♪
  お昼が楽しみ〜♪」



押し入れに、二人がかりで布団を無理矢理押し込み、戸締まりをしてからバス停へと向かった。