「ごめん、ちょっとトイレ」

あたしは、少しみんなから離れたかった。




後ろから
「大丈夫かよ〜!」
と言う大ちゃんの声がした。




大丈夫じゃないよ。


この状況マジ辛いよ。


気持ち悪い。


吐きそう・・・




あんまり眠ってないからか、走って頭がクラクラした。




「紗茅!」


後を追いかけて来た雅人が、ふらっとしたあたしの体を支えた。




「危ねぇな!大丈夫かよ。
 どっか涼しい所で休め」



「うん。ごめん・・・」




「おんぶしてやろーか?」



「ううん、大丈夫・・・」




雅人が優しくすればするほど、あたしの心はどうしようもなく締め付けられていった。