その日、一日の授業が終わり、教室に名雪が入って来た。




「ねぇ、さっちゃん!
 今日の放課後は・・・」




「あ、名雪ごめんね、最近バイト
 の時間を早めちゃったから、
   今日も時間ないんだぁ!」



「そうなんだ・・・
 大変なんだね・・・・・・」



「うん、ごめん!
 じゃあ、また明日ね!」



バイトが早く済んでから、那抖と病院に行き、そのまま家で一緒に晩御飯を食べるのが日課になっていた。




次の日曜日のお昼にも、いつものように那抖とご飯を一緒に食べることになった。




「ねぇ、那抖、
 ソースが切れちゃってるよ」




「おー!じゃあ、
 ひとっ走り買って来るよ!」




「うん、お願〜い♪」




しばらくすると、名雪から電話がかかってきた。




「もしもし、さっちゃん?
 ちょっと今から行っていい?」



「あ、えっと今からは・・・」



――「おーい!買って来たぞ〜♪」




那抖が買い物を済ませて戻って来た。




「さっちゃん?・・・誰?」




「あっ、うん、あのねっ!」



「・・・名雪のこと
 誰もいらないんだね・・・」

――ツーツーツー...




「えっ!名雪?
 もしもし?名雪っ!」



名雪の様子が、なんだかいつもと違う感じがした。