「じゃあ、俺帰るわ」 「待て!小林が何で喧嘩したのかその理由だけ教えてくれ!もし相手に非があるなら退学は免れるかもしれないぞ?」 「別に理由なんてない。ただ、あいつらがムカついただけ」 この場で佐和の名前を出せば、昨日の出来事まで話さなければいけなくなる。 『あいつらがムカついた』と言っておけば、これ以上深く聞いてくることはないだろう。 「小林……――!!ちょっと、待て!!」 俺はそれだけを言い残すと、担任とまともな会話もしないまま職員室を後にした。