龍と虎に愛されて。


「化粧も明菜ちゃんがやってくれたの?」


「ううん、これは自分でやったの。何度も練習したんだけど、なかなか上手にできなくて……。変かな?」


「いや、すっげぇ可愛い」


「ありがとう」


優華のあまりに変わりっぷりに、「可愛い」以外の言葉でうまく伝えられない。

 
優華は一度息を吐くと、俺を真っ直ぐ見つめた。


「あたしね、ずっと自信がなかったの。大虎はカッコいいし、あたしが彼女じゃ不釣合いだって」


「そんなことないって」


「だから、できることはしようって決めたの。ちょっとでも、大虎に近付きたいから」


「優華……」


健気な優華の笑顔に、胸がギュッと締め付けられる。