道端で拾ったときは、あんなに小さくて今にも壊れてしまいそうだったのに。 今はどこからどうみても、立派な猫で。 龍心の家を我が物顔で歩くチビ。 龍心一家に溺愛されて、チビは幸せだな。 チビは、部屋の中を一通り見て回ると、俺たちに気を使うように部屋から出て行った。 「チビちゃん……いっちゃったね?」 「あぁ。自由奔放なとこ、飼い主によく似てる」 皮肉交じりにそういう俺の横で、優華は緊張気味に床に正座している。