「なぁ、優華にメール送っても返事ないんだけど」


「へぇ」


「へぇ、じゃなくて。明菜ちゃんに連絡取れる?」


「なんで?」


「だってもう約束の時間過ぎてるだろ?心配になんないわけ?」


雑誌を取り上げると、龍心はうんざりした表情で俺を見つめた。


「そんな心配すんなって。女ってのは、色々時間がかかるもんなんだよ」


「なんだよそれ。何か知ってんの?」


「さぁな。ほら、それよこせ」


雑誌に手を伸ばす龍心。


俺は雑誌をヒョイッと上に持ち上げた。