その日の放課後。 俺は一人、駅前の本屋で雑誌を立ち読みしていた。 バイトの時間まで、あと30分。 仕方なく、雑誌を元の位置に戻して店を出る。 すると、その時、前から歩いてきたカップルに目を奪われた。 「あいつ……」 髪を金色に染めてポケットに片手を突っ込んで道の真ん中を歩く男。 それは、間違いなく優華ちゃんの彼氏で。 その隣にいるのは、髪を茶色く染めた派手な女。 もちろん、優華ちゃんではない。