龍と虎に愛されて。

長い前髪から覗くパッチリとした二重の目。


その瞳は何の濁りもなく澄んでいる。


今すぐ、奪ってしまいたい。


そんな感情がグルグルと全身を駆け巡る。


でも、どうすればいいの自分でもよく分からない。


本能のまま唇を押し付ければ、二度と彼女と会えなくなる気がする。


俺はグッと奥歯を噛んで、


「早く帰らないと、風邪引くよ」


優華ちゃんの頬からそっと手を離した。