「そうなんだよ。俺もさっきから考えてた……」


「ったく、しょうがねぇな。俺が一日だけ面倒みてやるよ」


「マジで?でも、本当にいいのか?」


「あぁ。でも、お前これから先、ちゃんとこいつ飼ってやれんのかよ?」


大虎がバイト中、ずっとこいつを預かる事は不可能だ。


だからといってこの家にチビを置いていったら、あの母親が何を言い出すか分からない。



「お前が飼えないなら、俺が新しい飼い主探してやるよ」


「でも……」


「お前にとってもこいつにとっても、それが一番最善だろ?」



しばらく考え込んだ後、


「……だな。頼むわ……。チビ、ごめんな」


大虎は苦しそうな表情でそう呟くと、眠っているチビの頭を指先で撫でた。