―――明菜サイド――― きっと悪い夢を見ていたんだ。 眩しい朝日に顔を照らされて、目を覚ます。 あのガリ勉根暗男が、金髪ドS男だったなんて。 あの小林に限って、そんなことあるはずない。 でも、テーブルの上に小林が置いていった数冊の教科書があるのは現実で。 『これ、持って帰るのめんどくせぇ。明日、学校持って来こい。絶対忘れるんじゃねぇぞ』 ニヤッと笑みを浮かべた小林の顔が鮮明に蘇る。 「やっぱり夢じゃない……」 あたしは再び布団に潜り込み、ハァと大きな溜息を吐いた。