「……おい、いい加減にしろよ」 俺は明菜の体を自分の後ろに隠して、女を睨みつけた。 「……何よ!悪いのは佐和さんでしょ?誤解されるようなことするほうが悪いのよ!」 女は最後に捨て台詞を吐き、教室を後にした。 女が去り、教室中がシーンっと静まり返る。 クラス中が俺と明菜のこれからのやりとりに聞き耳を立てているようだ。 ここでしゃべれば、何もかも全てこいつらに筒抜けだ。 「……ちょっと来い」 俺は明菜の腕を掴み、教室から出た。