「肝試しの時も、あんた大虎君と手繋いでたでしょ?」


「それは……――」


いつもは強気な明菜も言い返すことが出来ずにギュッと唇を噛み締めている。


明菜と女との間に板挟みにされて、荒木は焦って俺に目で訴えかけてくる。


『早く助けにきて』と。


女はその後も一方的に明菜を責め立てた。


女同士の喧嘩に口を挟みたくないが、仕方ない。


俺はゆっくりと立ちあがり、明菜の元へ向かった。