「人間て残酷だよな」 「……え?」 「だってさ、猫だって生きてるわけじゃん。何でそんな簡単に捨てられるんだろうって」 「そうだよね……」 段ボール箱に入れられていたとはいえ、猫は明らかに弱っていた。 公園や人気のない場所ではなく道路に放置されていたということは、誰かに見つかりそうになり慌てて捨てたんだろう。 「俺さ、親から見捨てられてるから他人事のように思えないんだよね」 「え……?」 親から……見捨てられてる? ポツリと呟いた杉崎君にあたしは驚いて目を見開いた。