「もういい、顔上げろよ」 「……う、うん!」 許してもらえたと思ったのか、顔を上げた佐和の表情がパァっと明るくなる。 「今までの事は許してやるよ。でも……――」 これからは俺が優位に立たせてもらう。 「でも?」 「これからはお前に拒否権はない。俺に従え。いいな」 「えぇ!?そんなの嫌だよ!」 「だったらずっとそこで土下座してろ」 「そ、そんなのって……」 「……分かったか?」 「分かりました……!!」 そう答えると、佐和はガックリと肩を落としてうな垂れた。