「今は明菜と距離を置きたいんだ。俺の勝手だけどさ。だから明菜を嫌いになったわけじゃ……――」


「距離を置きたいじゃ分かんないよ!あたしのこと好きか嫌いか……ちゃんと言って……?」


「俺は明菜が……――」


……――好きだ。


誰よりも明菜を愛していると、自信を持って言える。


だから、自分の気持ちに整理が付くまで少し待っていてくれ。



そう言おうとした瞬間、『ピーっピーッ』という音と同時に電話が切れた。


画面には『充電をしてください』という文字が映し出されている。


「何でこんな時に……」


俺は拳をベッドに叩きつけて、唇を噛み締めた。