「分かった。おやすみ……」


「おやすみ」


あたしを気遣ってずっと起きていてくれた瑞穂。


でももうすぐ23時。


疲れも限界だろう。


「トイレいこ……」


今時、部屋にトイレがない旅館なんてありえない。


でもこの旅館は例外みたい。


あたしは周りのみんなを起こさないようにそろそろと部屋を出た。